徳島大学?高知大学?香川大学との共同開催で
(SPOD開放プログラム)「授業について考えるランチセミナー」<学習評価の原則と方法>が開催されました。
ご参加いただいた皆さま、大変ありがとうございました。
■開催日時
第1回 2025年7月10日(木)12:05~12:50
第2回 2025年7月17日(木)12:05~12:50
■参加者
第1回 7月10日
67名(Zoomによるオンライン)
第2回 7月17日
62名(Zoomによるオンライン)
■コーディネーター?講師?登壇者
コーディネーター: 飯尾 健(徳島大学高等教育研究センター)
第1回 7月10日
講師: 飯尾 健(徳島大学高等教育研究センター)
第2回 7月17日
講師: 飯尾 健(徳島大学高等教育研究センター)
登壇者: 大渕 朗(徳島大学名誉教授)
■内容
第1回
第1回は学習評価において考慮すべき重要な点として、①評価と学習目標は表裏一体、②評価は学生に向けたメッセージ、③評価の3つの役割、④フィードバックの重要性の4つについて講師から説明が行われた。 まず①評価と学習目標は表裏一体では、学習目標に応じた評価方法を用いることが重要であることが説明された。具体的には、授業の目標が「知っている」「わかる」「使える」のどのレベルに相当するかを検討し、テストや記述式試験、実演といった方法を使い分けることが示された。次に②評価は学生に向けたメッセージでは、評価の機会や方法に応じて学生は学習の仕方を決めていくということであり、例えば暗記のみで解けるテストの場合は、学生は授業内容を理解するというより暗記しようとするということが挙げられた。続く③評価の3つの役割については、診断的評価、総括的評価、形成的評価の3つの評価の種類を使い分けていくこと、とくに評価の結果を教員?学生双方が活かせることが重要であることが説明された。その流れから、最後に④フィードバックの重要性が提示された。すなわち、単に得点や正解を示すだけでなく、どのように解くのか、頻出した誤答には何があるのか等を示し、学生が自分の躓いた点を把握し修正できるようにすることが必要ということが挙げられた。 最後に、これらの内容を受けて参加者からの質疑応答が行われた。
第2回
最初に、講師から前回の振り返りとして上述の4つの点について再度説明が行われた。その後、徳島大学の大渕 朗 先生が登壇し、担当する「微分積分学」における評価やフィードバックに関する実践について紹介が行われた。 「微分積分学」はメディア授業として実施されており、動画教材の閲覧に加え小テスト、課題を提出することで各回の出席と評価が行われている。加えて毎月末にはオフィスアワーとして、希望する学生がZoomに出席してのフィードバックの時間が設けられている。その中でも学生が積極的に参加するよう、Zoomの投票機能を使って解説してほしい項目についてアンケートをとるといった工夫が行われている。さらにメディア授業で試験を円滑に行う方法として、Excelの関数を活用して、学生が入力した名前に応じて異なる問題が出題されるようにし、かつ教員も学生が解答すべき問題を把握できるようにするという実践が紹介された。大渕先生からは、医学部での学習において重要となる統計学の前提となる数式を解けるようになることを授業や評価において重視しているということや、試験問題の難易度をどのように揃えるかといった点に苦心しているといった、実践における様々な考えについても述べられた。 最後に講師と大渕先生を交え、参加者からの質問への応答や、講師からの情報提供が行われた
■成果と課題
参加者アンケートを行った結果、「5. 本セミナーは今後の教育活動において有益なものであった」という設問において、第1回、第2回ともに全ての回答者から肯定的な回答 (「とても当てはまる」「どちらかといえば当てはまる」の合計) を得ることができた。また、他の設問においてもほぼ肯定的な回答が得られた。
第1回(7月10日) | 第2回(7月17日) | |
---|---|---|
とても当てはまる |
13 (54.2%) |
12 (63.2%) |
どちらかといえば当てはまる | 11 (45.8%) | 7 (36.8%) |
どちらかといえば当てはまらない | 0 (0%) | 0 (0%) |
まったく当てはまらない | 0 (0%) | 0 (0%) |
合 計 |
24 (100%) |
19 (100%) |
※その他のアンケート項目の結果はグラフを参照。
自由記述においては、第1回では学習評価に関する基本的な理解が得られたこと、とくにフィードバックの重要性について得られたというコメントが多く寄せられた。また第2回では、大渕先生の実践に対してのコメント、とくに試験問題の出題方法やフィードバックの仕方について参考になったという意見が多数見られた。一方で、第2回のアンケートにおいて数学以外の評価の事例についても紹介してほしい、といったもののほか、ランダムに問題を出題する際に難易度を揃えることの難しさについての指摘も見られた。
今回は実際の大規模授業における事例を交えながら、学習評価について重要な点および実際の方法について紹介を行った。今後は文系をはじめとする幅広い分野、あるいはレポートや演習といった筆記試験以外での評価方法についても事例を紹介し、幅広い教員のニーズに応えられるようなセミナーを計画したい。
■アンケート回答結果
第1回 (n=24)
第2回 (n=19)
■セミナーの模様(アーカイブ動画より抜粋)
ご不明な点などございましたら、下記アドレスもしくは、電話でお問合せください。
教育支援課教育企画係 メール:kykikakuk@tokushima-u.ac.jp
電 話:088-656-7686 内線(82)7125
徳島大学全学FD推進事業も紹介していますのでぜひご覧ください!
http://www.tokushima-u.ac.jp/highedu/reform/